【米国ウィークリー 2020年6月9日号(2020年6月8日作成)】銘柄ピックアップ

 

銘柄ピックアップ

エアロジェット・ロケットダイン・ホールディングス(AJRD

市場:NYSE・・・2020/7/312020/122Q4-6月)の決算発表を予定

・1915年設立。子会社エアロジェット・ロケットダインを通じ、国防総省、NASA(米航空宇宙局)など官庁向けにロケット、ミサイル、システム開発を展開。ロッキード・マーチンLMTが最大顧客である。

・4/29 発表2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比3.2%減の4.76億USD、純利益が同18.9%減の3,140万USD。RS-25エンジンが伸びたが、前年同期の宇宙開発ロケットシステムの売上高(570万USD)の反動減が影響した。利益面ではミサイルの費用増や退職給付の増加が響いた。

・コロナ禍の影響が不透明なため2020/12期会社計画を非開示。同社受注残52億USDのうち、20億USDが12か月以内に売上計上の見通し。NASAが計画中のアルテミス深宇宙探査行動に必要なRS-25ロケットエンジン18基を9年間17.9億USDで5月に受注。米国防省予算は昨年の7,180億USDから今年度7,380億USDに増加。「宇宙軍」創設に伴い、同社ロケットエンジンへの需要が高まろう。(李)

 

ボーイング(BA) 

市場:NYSE・・・2020/7/242020/122Q4-6月)の決算発表

・1916年創業。航空・宇宙機器製造会社。民間航空機、防衛・軍用機、電子・防衛システム、衛星、衛星打ち上げ機、高度情報通信システムなどを手掛ける。150ヵ国以上で事業を展開する。

・4/29発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比26.2%減の169.1億USD、純利益が▲6.41億USDと2四半期連続で最終赤字。1Q末の債務超過額が93.6億USDとなり、フリーキャッシュフローが▲47.3億USD。昨年の主力民間機「737 MAX」の墜落事故に加え、コロナ禍の大きく影響した。

・1-4月の納入機数が前年同期比67%減の56機にとどまり、4月の全体の受注がゼロで「737 MAX」の受注108機分が取り消されるなど先行き不透明ななか、同社は3月に米当局や金融機関に総額600億USD支援を求めていた方針を変更し、自力で社債発行による250億USDの調達を行うと発表。景気に左右されにくい宇宙航空・防衛向けの売上比率が45%に上ることが再評価されよう。(李)

 

マスターカードMA  

市場:NYSE・・・2020/7/302020/122Q(4-6月)の決算発表

・1966年に設立した国際的な決済テクノロジーカンパニー。「Mastercard」、「Maestro」、「Cirrus」、「Masterpass」などのブランドの下サービスを提供する。210以上の国・地域で事業を展開する。

・4/29 発表2020/12期1Q(1-3月)は、売上高は前年同期比3.1%増の40.09億USD、純利益は同9.1%減の16.93億USD。ただし、Non-GAAPの調整後純利益は同0.8%増の18.44億USDだった。コロナ禍を背景にカード総決済額が現地通貨ベースで8%増と、前四半期の同13%増から減速した。

・コロナ禍の影響が不透明なため、2020/12通期の見通しを撤回。都市封鎖が響きカード決済額は3月後半に急減したことに続き、4月が第3週目までに前年同期比2割減となったほか、同期間の国境を超える取引では同5割減少した。米経済活動再開に伴いカード総取扱額が回復傾向にある。コロナ流行で銀行のアプリを介した支払いが増加。デジタル決済普及の追い風が見込まれよう。(李)

 

モデルナ(MRNA) 

市場:NASDAQ・・・2020/8/72020/122Q4-6月)の決算発表を予定  

・2010年設立のバイオテクノロジー企業。感染症、がん免疫、心血管疾患に係るメッセンジャーRNAによる治療薬とワクチンの発見・開発に注力し、臨床試験段階のバイオテクノロジーを手掛ける。

・5/7発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比47.7%減の83.89億USD、純利益が▲1.32億USDから▲1.24億USDへ、EPSが▲0.40USDから▲0.35USDへ赤字縮小。大手製薬メーカーとの提携協定に基づいて開発の進捗に応じて得られる収入が減少したことが響き減収となった。

・新型コロナウイルスワクチン候補(mRNA-1273)は、5/18に初期治験の結果が有望だったと発表され、5月下旬に臨床試験のフェーズ2を開始。更に、スイスのロンザと同ワクチン生産で10年契約の協業を発表した。米当局の承認が得られるまで、ワクチン開発およびロンザが持つ製造拠点でのワクチン生産能力拡大に対し米生物医学先端研究開発局(BARDA)が資金援助を行う予定。(笹木)

 

スターバックス(SBUX  

市場:NASDAQ・・・2020/7/282020/93Q4-6月)の決算発表を予定

・1971年創業。世界的なコーヒーチェーン。世界80市場で32,050店舗(20年3月)を展開。主力のStarbucks CoffeeのほかTeavana、Seattle’s Best Coffee、Evolution Fresh、などのブランドがある。

・4/28発表の2020/9期2Q(1-3月)は、売上高が前年同期比4.9%減の59.96億USD、純利益が同50.5%減の3.28億USD。既存店売上高は、全世界が同10%減、米国が同3%減、中国が同50%減だった。コロナ禍による世界的な店舗閉鎖に加えて、人件費や安全対策費が嵩んだことが響いた。

・通期の会社業績見通しの公表を見送った。ただし、中国市場は、店舗数が年内500店以上増を見込み、売上高は2Qの前年同期比50%減から4Q(7-9月)に同0-10%減への改善を通じ、通期で前期比15-25%減まで持ち直す見通し。米国店舗も5月上旬から営業再開が始まり、6月上旬までに90%の店舗が稼働の見通し。中国での大規模出店攻勢でコロナによる業績への打撃が和らぐか。(李)

 

ザイリンクスXLNX)  

市場:NASDAQ・・・2020/7/232021/31Q4-6月)の決算発表を予定

・1984年に設立。プログラマブル・ロジック半導体デバイス及び関連するソフトウェア設計ツールの設計と開発を展開。設計サービス、顧客トレーニング、及びテクニカルサポートも提供する。

・4/23発表の2020/3期4Q(1-3月)は売上高が前年同期比8.7%減の7.56億USD、純利益が同33.9%減の1.62億USD。主力のAIT「航空宇宙・防衛・産業機械・TME(検査・計測・エミュレーション)」は同14.8%増だったが、コロナ禍に伴う顧客の5G投資減少が響き有線・無線が同46.3%減収となった。

・コロナ禍を考慮して2021/3通期会社計画の発表を見送ったが、2021/3期1Q(4-6月)の売上高計画を6.6-7.2億USD(前年同期:6.84億USD、市場予想:7.4億USD)とした。4Qで大幅増収となったデータセンターの反動減、および中国市場の新車販売低迷に伴う車・放送・民生機器(ABC)の弱含みが懸念されるが、景気変動に強いAIT、および有線・無線は底堅い推移が見込まれよう。(李)

 

(※)決算発表の予定は6/5現在であり、変更される可能性があります

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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