【米国ウィークリー 2020年6月2日号(2020年6月1日作成)】”銘柄ピックアップ”

 

■銘柄ピックアップ

 

アドビ(ADBE

市場:NASDAQ・・・2020/6/112020/112Q3-5月)の決算発表を予定

・1982年設立のソフトウェア企業。同社が開発した文書フォーマット「PDF」は国際標準。Document Cloud、Creative Cloud、Experience Cloudの3つのクラウドから継続課金のソフトウェアを提供する。

・3/12発表の2020/11期1Q(2019/12-2020/2)は、売上高が前年同期比18.8%増の30.91億USD、純利益が同41.7%増の9.55億USD。主力デジタルメディア事業のうち、クリエティブやドキュメントはそれぞれ同22%増収(18.2億USD)、同34%増収(3.51億USD)といずれも過去最高を更新。

・一部企業によるサービス実装の延期や経費削減などを受け、2020/11期2Q(3-5月)の会社計画では同16%増収、同28%増益と直近5年間で最も保守的な見通しが示された。一方で、同社が2018に買収したMarketoやMagentoによるシナジー効果がデジタルメディア事業に大きく寄与できるとみられる。また、テレワーク増加に伴うクラウド需要の増加も引き続き同社への追い風となろう。(李)

 

コストコホールセール(COST

市場:NASDAQ・・・2020/9/252020/84Q6-8月)の決算発表

・1976年創業。ウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型店舗)を運営しており、生鮮・加工食品、家電や自動車関連などを卸売価格で販売する。店舗数は787店舗(2020/5)。Eコマースサイトも展開。

・5/28発表の2020/8期3Q(5/10までの12週間)は、売上高が前年同期比7.3%増の372.66億USD、純利益が同7.5%減の8.38億USD。衛生管理や賃金上昇に係る費用増が響いたが、ガソリンや為替変動を除く調整後の既存店売上高が同7.8%増、Eコマースの調整後売上高も同66.1%増と好調。

・コロナ禍を背景とした買い溜めで3月既存店売上高は前年同月比9.6%増と好調だったが、その後のロックダウンに伴う外出制限で4月既存店売上高は同4.7%減とやや失速。また、コロナ対策や従業員時給増加を受け、コロナ関連費用2.83億USDの計上が重荷となった。会員料金は6/1から値上げの予定であり、利益の源泉となる会員数(5/10現在、約9,540万人)の増加率が注目されよう。(李)

 

セールスフォースドットコム(CRM

市場:NYSE・・・会社発表およびBloomberg予想ともに決算発表日の記載なし    

・1999年創業。CRM(顧客関係管理)の大手企業。クラウドを通じ見込み客の開拓やマーケティングなど様々なソリューションを提供する。企業向けクラウドサービスの「Salesforce Platform」も展開。

・5/28発表の2021/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比30.2%増の48.7億USD、純利益が同74.7%減益の9,900万USD。4大業務のうち、セールスフォース・プラットフォームは同62.0%増収(13.64億USD)、サービスクラウドは同22.7%増収(12.52億USD)と好調。セールスはやや鈍化。

・売上高の会社計画は2021/1期2Q(5-7月)を48.9-49.5億USDとしたほか、2021/1通期を従来の211億USDから約200億USDへ下方修正。コロナ禍に伴う顧客企業のIT支出減などを勘案しやや保守的な計画となった。企業が在宅勤務で販売、サービス、および広告を支援できる3つのサポート製品をリリースするなど、テレワークの需要拡大を取り組むことで業績面のサプライズも期待されよう。(李)

 

テスラ(TSLA

市場:NASDAQ・・・2020/7/242020/122Q4-6月)の決算発表を予定

  

・2003年設立。電気自動車(EV)の設計・製造・販売、電気パワートレイン部品の他の自動車メーカーへの販売、および充電式リチウムイオン電池システムなどのエネルギー貯蔵製品の販売を営む。

・4/29発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比31.8%増の59.85億USD、純利益が▲7.02億USDから1,600万USDに黒字転換。EV販売台数が同40.3%増(約88,400台)となった。また、営業利益率は前四半期比0.2%ポイント低下したが、EV販売の利益率が同3.0%ポイント上昇した。

・コロナ禍による影響が不透明なため、2020/12通期の業績見通しを取り下げた。上海工場で主力小型車「モデル3」の生産量増加に伴い利益率が改善されたほか、ロックダウンで操業停止となった米国内工場も5月下旬に操業再開。主力モデルの販売シフトにより平均販売価格は低下したものの、高い水準の利益率が維持されている。中国市場での販売拡大で好業績が期待されよう。(李)

 

ビザ(V

市場:NYSE・・・2020/7/232020/93Q4-6月)の決算発表を予定

・1958年の「BankAmericard」を発祥とするクレジットカード会社。金融機関・販売業者・消費者・企業のほか相互の小売電子決済ネットワーク運営やデータ転送を通じて国際的商取引を提供する。

・4/30発表の2020/9期2Q(1-3月)は、純収益が前年同期比7.0%増の58.54億USD、純利益が同4.0%増の30.84億USD。カード決済取扱額が同5%増となり、19年10-12月期の同8%増から伸びが鈍化。旅行需要の落ち込みが響き、アジアを主力とするクロスボーダー決済額が同2%増に減速。

・コロナ禍に伴う不透明感で2020/9通期の業績見通しを見送った。4月末の時点で米国のカード決済取扱額が同19%減と厳しさが残るなか、同社は配当方針を維持したほか、今年度90億USD自社株買い計画のうち、年初から56億USD(平均価格179.94USD、3,090万株)を買い入れた。また、世界中の巣籠もりが結果的にネット決済を後押しするなど、支払いのデジタル化の恩恵を受けよう。(李)

 

ウエイストマネジメント(WM)  

市場:NYSE・・・2020/7/242020/122Q4-6月)の決算発表を予定

・1968年設立。全米最大規模の廃棄物管理サービス会社であり、廃棄物の回収、移送、リサイクル、資源回収、処分を行う。廃棄物再エネルギー施設の開発・運営・所有業者としても全米首位。

・5/6発表の2020/12期1Q(1-3月)は売上高が前年同期比0.1%増の37.29億USD、純利益が同4.0%増の3.61億USD。但し、Non-GAAPの調整後営業EBITDAは同2.6%増の10.1億USD。売上高の68%を占めるゴミ収集は同2.5%増収、フリーキャッシュフロー(FCF)が同26.2%減の3.18億USDだった。

・コロナ禍による不確実性を受け、同社は2020/12通期の業績ガイダンスを取り下げたほか、ロックダウンや巣籠もり消費で商業ごみの減少が2020/12期2Qの業績に響くとの見方を示した。一方で、競合他社が少ない公益関連のディフェンシブ銘柄として、16年連続で増配し、5年間の平均配当成長率が6.67%に達した。コロナ禍のなか、増配政策を堅持する同社の経営方針が注目されよう。(李)

 

(※)決算発表の予定は5/29現在であり、変更される可能性があります

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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