【投資戦略ウィークリー 2019年10月7日号(2019年10月4日作成)】“「体験価値」を求める動きに注目”

 

■「体験価値」を求める動きに注目

  •  9/30週の日本株相場は、9/27に米政権が中国への証券投資の制限を検討していると伝えられたこと、および9/26の米マイクロン・テクノロジーMUの6-8月期決算および業績見通し悪化を受けて米半導体関連株が大幅下落となったことを受け、週初より日経平均株価で22,000円を下回った。それに加え、10/1発表の米ISM製造業景況指数(9月)および10/2発表の米ADP民間雇用者数(9月)の悪化により米国株が下落した流れを受けて日経平均は10/4に21,276円まで下落した。
  •  日本経済に関し、9/30発表の鉱工業生産指数(8月)は全体としては弱かったものの電子部品・デバイスの在庫率指数が前月比13%低下し、生産も拡大するなど生産・出荷と在庫のバランスの改善が示された。10/1発表の日銀短観(9月調査)は、大企業・製造業の景況感が3期連続悪化する内容だったが、中堅・中小企業、および金融機関のソフトウェア投資額計画(2019年度)が前回発表時よりも増額となるなど堅調な一面があることも示された。10/4に召集された臨時国会では災害対策や景気対策に向けた補正予算の動向が注目点だろう。
  •  最近の日本株ではスマホの位置ゲーム「ドラゴンクエスト・ウォーク」関連銘柄が賑わっている。「ポケモンGO」と同様、実際に自分の身体を動かして目的地に行く必要があることから通常のゲームと比べて「体験価値」が高くなりやすい点が重要だろう。東京ディズニーランドにおいても2020/4に大規模拡張事業「ニューファンタジーランド」がオープン予定であり、来場者の体験価値を継続的に高めていく工夫が運営会社のオリエンタルランド(4661の株価にも反映されていると言えよう。「体験価値」の観点からは、10/18にNintendo Switchの「リングフィットアドベンチャー」が発売される予定であり、全身を使ったゲーム体験が健康面を含めて価値向上に繋がるだろう。また、スマホゲーム「マリオカートツアー」も、世界の大都市の景観を体験できる点に価値を見出せるだろう。ェイスブック(FBも、傘下のオキュラスが新たなVRサービス「Facebook Horizon」を発表し、自身のVRアバターを通じて世界中のユーザーと繋がる新体験を提供しようとしている。景況感の悪化傾向が続くほど個人的な「体験価値」を求める動きが強まる面もあり得よう。(笹木)
  •  10/7号では、ディー・エヌ・エー(2432)、カシオ計算機(6952)、京セラ(6971)、キヤノンマーケティングジャパン(8060)、乃村工藝社(9716)、ダイセキ(9793)を取り上げた。

 

■主な企業決算の予定

  • 10月7日(月):トーセイ、ファーストブラザーズ、ヨンドシーHD、クリエイトSDHD、小津産業、フジ、ウェザーニューズ
  • 10月8日(火):Jフロントリテイリング、ポプラ、ライトオン、吉野家HD、イオンモール、北興化学工業、パルグループHD、井筒屋、イズミ
  • 10月9日(水):トレジャー・ファクトリー、ファミリーマートエービーシー・マート、ライフコーポレーション、イオン、サイゼリヤ、ミニストップ、シー・ヴイ・エス・ベイエリア、エコートレーディング、ジーフット、コメダHD、ウエルシアHD、ヤマザワ、イオン北海道、ベルシステム24HD、イオンファンタジー、リソー教育、イオンディライト、三光合成、東京個別指導学院、ローソン、ライク、エーアイテイー、コジマ、ユナイテッドスーパーマーケットHD
  • 10月10日(木):明光ネットワークジャパン、安川電機、久光製薬、ワッツ、コシダカHD、ローツェ、技研製作所、オーエスジー、アレンザHD、乃村工藝社、松屋、オンリー、大黒天物産、いちご、エスクロー・エージェント・ジャパン、良品計画、竹内製作所、キリン堂HD、スタジオアリス、津田駒工業、ファーストコーポレーション、マニー、前澤工業、ファーストリテイリング、マルマエ、セブン&アイHD、ビックカメラ、デルタ航空
  • 10月11日(金):IDOM、東宝、MrMaxHD、コスモス薬品、モリト、進和、エスケイジャパン、三機サービス、デザインワン・ジャパン、ネオス、東洋電機製造、串カツ田中HD、PR Times、チヨダ、東天紅、クリエイト・レストランツ・HD、ヤマトインターナショナル、日本国土開発、日本毛織、セントラル警備保障、古野電気、ベイカレント・コンサルティンク゛、S FOODS、ディップ、パソナグループ、アークス、エコス、テラスカイ、サンヨーハウジング名古屋、髙島屋、MORESCO、島忠、ダイト、エストラスト、インターアクション、佐鳥電機、SFPHD、RPAHD、レナウン、住江織物、リンガーハット、ファーマライス゛HD、ハブ、サインポスト、イワキ、三栄建築設計、コーナン商事、プレナス、黒谷、オオバ、E・JHD、ジンズHD、ファスナル

 

主要イベントの予定

  • 10月7日(月)

・衆院本会議で代表質問

・オリバーが東証1部に新規上場

・外貨準備高(9月)、営業毎旬報告(9月30日現在)、景気動向指数(8月)

・米ミネアポリス連銀総裁がディスカッションに参加

・ノーベル医学生理学賞受賞者発表

・中国休場(国慶節)、香港休場(重陽節)

・米消費者信用残高(8月)、独製造業受注(8月)、中国外貨準備高(9月)

 

  • 10月8日(火)

・参院本会議で代表質問、衆院本会議で代表質問

・HENNGEが東証マザーズに新規上場、AI CROSSが東証マザーズに新規上場

毎月勤労統計(8月)、国際収支(8月)、倒産件数(9月)、景気ウォッチャー調査(9月)

米パウエルFRB議長・米シカゴ連銀総裁・カーニー英中銀総裁が講演、米ミネアポリス連銀総裁がタウンホールのディスカッションに参加

・ノーベル物理学賞受賞者 発表

・米PPI(9月)、独鉱工業生産(8月)、中国財新サービス業・コンポジットPMI9月)

 

  • 10月9日(水)

・参院本会議で代表質問

・アンビスHDが東証ジャスダックに新規上場

工作機械受注(9月)

米パウエルFRB議長がFRBの金融政策再点検のためのイベントに出席FOMC議事要旨(917-18日開催分)

・ノーベル化学賞受賞者発表、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)

IMF世界経済見通し(WEO)分析部分公表、米求人件数(8月)、米卸売在庫(8月)、中国経済全体のファイナンス規模・新規融資・マネーサプライ(9月分、15日までに発表)

 

  • 10月10日(木)

・雨宮日銀副総裁がASIFMA年次総会で講演(都内)

・対外・対内証券投資(9月29日-10月5日)、貸出動向(9月)、国内企業物価指数(9月)、機械受注(8月)、東京オフィス空室率(9月)

・米クリーブランド連銀総裁が講演

米中閣僚級貿易協議(11日まで、ワシントン)、ノーベル文学賞受賞者発表、EU財務相理事会、朝鮮労働党創建記念日

・OPEC月報、CPI9月)、独貿易収支(8月)、英鉱工業生産(8月)

 

  • 10月11日(金)

・株価指数10月限オプションSQ、マネーストック(9月)

・米ミネアポリス連銀総裁がQ&Aに参加、米ボストン連銀総裁・ダラス連銀総裁が講演

EU離脱を含むEU首脳会議の議題設定期限、ノーベル平和賞受賞者発表

・米輸入物価指数(9月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(10月)、独CPI(9月、改定値)、国際エネルギー機関(IEA)月報

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 

※本レポートは当社が取り扱っていない銘柄を含んでいます。

 

■鉱工業生産指数・日銀短観

経済産業省が9/30に発表した8月の鉱工業生産指数(季調後)は101.5と前月比1.2%低下。台風や定期修繕の影響の出た鉄鋼・非鉄金属工業やFPD製造装置、ショベル系掘削機械等が低下要因となった生産用機械工業などの生産が落ち込んだ。先行きは、企業の生産計画によると9月は上昇、10月は低下の見通し。経産省は基調判断を「生産はこのところ弱含み」に下方修正した。

日銀が10/1発表した9月の短観では、大企業・製造業の先行き判断DIがプラス2となり5四半期連続の悪化。大企業・非製造業も2四半期連続の悪化。企業活動の冷え込みが懸念される。ただ、設備投資は有形・無形固定資産とも小幅な修正に留まっており、モメンタムは保たれているもよう。(増渕)

【企業活動の冷え込み示す鉱工業生産・短観~設備投資のモメンタムは維持

■日経平均の値動きのクセを掴む

株価の値動きについては「ランダム・ウォーク理論」が広く知られているが、チャートを見ていく上で節目となる高値や安値を付けた日の間隔(日柄)を検証すると一定の「クセ(癖)」を見つけることができる場合もある。日経平均株価において昨年12/26以降の様々な日柄を検証すると、概ね上昇基調の期間は、12/26から4/24まで79日に対し6/4から9/19までが75日となり、下落(調整)の期間は、4/24から6/4まで24日に対し7/25から8/26まで22日となっている。

10/4現在の日経平均は9/19からの下落局面にあるが、節目となりそうな候補日として22日目の10/23、または24日目の10/25を挙げることができる。また、8/6から45日目の10/10も同候補日としては有力なのかも知れない。(笹木)

【日経平均株価の値動きのクセを掴む~「無くて七癖」で類似した日柄も】

中国では建国記念の軍事パレード

中国では10/1、建国70年の国慶節に合わせた祝賀行事が行われた。祝賀行事では、習近平国家主席の演説に続き軍事パレードが行われ、弾道ミサイルや戦闘機など最新鋭の兵器が披露された。中国国営テレビによると、10/1のパレードに登場する兵器の約4割が初公開。弾道ミサイルの東風17や、米国本土に到達可能な長距離弾道ミサイルの東風41が含まれていたもようだ。

東風41の射程は1万2,000キロ以上とされる。多くの核弾頭を搭載できるのが特徴で、迎撃が難しいといわれる。中国の大軍拡を前に、日米は防衛力の強化が迫られよう。巡航ミサイルTomahawkなど手掛けるレイセオン(RTN)やステルス戦闘機F35などを作るロッキード・マーチン(LMT)など注目したい。(増渕)

【中国は建国70周年~軍事パレードでは新兵器登場、防衛関連銘柄に注目】

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

増渕透吾プロフィール増渕 透吾
フィリップ証券株式会社:リサーチ部
1991年栃木県生まれ。2016年に広島大学大学院社会科学研究科社会経済システム専攻修了。経済学修士。国内証券で個人営業を経験し、2017年10月にフィリップ証券入社。米国株日本株アセアン株をカバーしている。ファイナンス的アプローチや理論に沿った考え方、データを用いた計量的な検証を心がけている。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員補。

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