【投資戦略ウィークリー 2019年9月2日号(2019年8月30日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

明豊ファシリティワークス(1717   

614円(8/30終値)

・1980年設立。オフィスや各種施設に関わるCM(コンストラクション・マネジメント)手法を用いた発注者支援を行う。オフィス事業、CM事業、CREM(企業不動産マネジメント)事業を手掛ける。

・8/5発表の2020/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比2.4%減の10.21億円、営業利益が同89.3%増の1.74億円。減収は売上に工事原価を含まない「ピュアCM」が増加したことによるもので実質増収。自治体による公共施設の老朽化や熱中症対策からCM方式導入の引合いが増加した。

・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比23.6%減の42.80億円、営業利益が同2.0%増の7.90億円。引き続き「ピュアCM」増と売上に工事原価を含む「アットリスクCM」減を見込んでおり、実質増収増益計画。「発注者支援」を核にしたCM事業の社会的認知度が今後上昇すれば同社の評価も高まると期待される。JASDAQから東証2部への鞍替え1年以上経過のタイミングも要注目。(笹木)

 

DIC4631   

2,808円(8/30終値)

・1908年に印刷インキの製造と販売で創業した化学メーカー。その基礎素材である有機顔料と合成樹脂をベースとして事業範囲を拡大し、素材から加工に至る広範な製品群を提供している。印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドでは世界トップシェア。世界で60を超える国・地域で展開。

・8/8発表の2019/12期1H(1-6月)は、売上高が前年同期比3.5%減の3,850.14億円、営業利益が同24.4%減の183.92億円、純利益が同11.9%減の131.30億円。世界的景気減速により電気・電子や自動車向け材料など幅広い分野で出荷が減少。円高による海外事業の換算減の影響も出た。

・通期会社計画は、売上高が前期比1.9%減の7,900億円、営業利益が同11.1%減の430億円、当期利益が同6.3%減の300億円。8/29には欧州化学最大手の独BASFの顔料事業であるBASF Colors & Effectsの買収を発表。製品ポートフォリオは重複が少なく、補完性も高いもよう。(増渕)

 

ビーイング(4734   

860円(8/30終値)

・1984年設立。土木工事積算システム(ガイア)を中心とした建設業向けアプリケーションおよびプロジェクト管理ソフトの開発・販売、ならびに設備業者向けCADソフトウェアの販売を手掛ける。

・8/8発表の2020/3期1Q(4-6月)は売上高が前年同期比7.1%増の16.36億円、営業利益が同9.2%増の2.90億円。商品開発力強化に向けた研究開発費増およびソフトウェア会社の子会社化を進める中、工事積算システムの好調な販売と情報共有システムの普及により増収増益となった。

・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比7.1%増の64.00億円、営業利益が同12.0%増の7.80億円。生産性向上コンサルタント事業を建設関連事業から独立した報告セグメントへ変更し、5/14にソフトウェア受託開発のラグザイアを完全子会社化。製造業と比べて建設業は業務改善の余地も多く、建設業の主要な業務改善プラットフォームとして同社製品が普及することに期待。(笹木)

 

日本エム・ディ・エム(7600   

1,706円(8/30終値)

・1973年設立。整形外科分野を中心とした医療機器類の輸入・開発・製造・販売を手掛ける。1994年に買収した米Ortho Development Corporation(ODEV)は、骨接合材料や人工関節、脊椎固定器具の開発・製造を行い同社に供給するほか、米国で人工関節、脊椎固定器具の販売も行う。

・7/31発表の2020/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比16.0%増の43.64億円、営業利益が同41.1%増の6.46億円、純利益が同41.7%増の4.48億円。4月に段階的な保険償還価格の引下げが行われたものの、人工関節分野や骨接合材料分野、脊椎固定器具分野の売上が順調に推移。

・通期会社計画は、売上高が前期比8.8%増の182.00億円、営業利益が同10.1%増の24.60億円、当期利益が同13.3%減の17.20億円。8/28に1H会社計画を上方修正。売上高を82.00億円から86.50億円へ、営業利益を8.20億円から11.70億円へ引き上げた。通期の上振れ余地も。(増渕)

 

豊田通商(8015   

3,295円(8/30終値)

・1948年設立。1936年に創立したトヨタ車の販売金融を行うトヨタ金融が戦後の第2次財閥指定により解散した後、その商事部門を継承した。各種物品の国内取引、輸出入取引、外国間取引、建設工事請負、各種保険代理業務を行う総合商社。2012年に仏最大の商社CFAO SASを買収した。

・7/31発表の2020/3期1Q(4-6月)は、収益が前年同期比2.4%増の1兆6,898.53億円、営業利益が同1.5%減の556.59億円、純利益が同19.2%増の556.12億円。為替変動の影響が出たが、電力事業における関連会社売却益により機械・エネルギー・プラントプロジェクト事業が牽引し最終増益。

・通期会社計画は当期利益が同13.1%増の1,500億円。同社のアフリカ事業は90年以上の歴史を有しており、今ではCFAOとの事業統合によりアフリカ54ヵ国中53ヵ国をカバー。TICAD7では日本政府としてアフリカへの民間投資を後押しする姿勢が示されたが、同社は旗振り役となろう。(増渕)

 

東京ドーム(9681   

1,033円(8/30終値)

・1936年に後楽園スタヂアムとして設立。東京ドーム、LaQua、東京ドームシティ・アトラクションズ、MEETS PORT、黄色いビル、東京ドームホテルなど東京ドームシティにある各種の営業施設を運営する。セレクトコスメショップ「shop in」や複合型リゾート、松戸競輪場、不動産事業なども手掛ける。

・8/29発表の2020/1期1H(2-7月)速報値は、売上高が前年同期比8.3%増の453.00億円、営業利益が同6.3%増の63.00億円、純利益が同10.3%増の46.00億円。MLB開幕戦等の野球関連の売上やコンサートイベント関連商品の販売が好調だった。投資有価証券や固定資産の売却益も寄与。

・8/29に通期会社計画を上方修正。売上高を前期比3.6%増の902億円(従来計画:890億円)、営業利益を同6.3%増の122億円(同:115億円)、当期利益を同2.0%増の71億円(同:60億円)とした。従来計画では減益を見込んでいたが一転増益見通しとなった。9/11に1H発表を予定。(増渕)

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

増渕透吾プロフィール増渕 透吾
フィリップ証券株式会社:リサーチ部
1991年栃木県生まれ。2016年に広島大学大学院社会科学研究科社会経済システム専攻修了。経済学修士。国内証券で個人営業を経験し、2017年10月にフィリップ証券入社。米国株日本株アセアン株をカバーしている。ファイナンス的アプローチや理論に沿った考え方、データを用いた計量的な検証を心がけている。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員補。

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